リフト・アクセス・ランチ・
山焼き・成り立ちまで
静岡県伊東市にある大室山は、お椀を伏せたような独特の形状と美しい山容から、多くの観光客を魅了しています。
標高約580mの頂上へはリフトで手軽にアクセスでき、山頂からは絶景のパノラマを眺めることができます。
さらに伝統行事である山焼きなど見どころが豊富にあります。
その成り立ちや歴史的背景に触れることで、大室山の雄大なパノラマだけでなく、地質的に貴重な一面を垣間見ることができます。周囲には伊豆ならではの温暖な気候と豊かな自然が広がり、一年を通じて異なる魅力を体験できる場所として知られています。観光やレジャーのみならず、地元のグルメや宿泊施設も充実しており、多彩な楽しみ方ができるのも魅力の一つです。
今回は大室山の基礎知識から歴史、周辺観光スポットやグルメ情報、さらには宿泊施設の選び方まで幅広く徹底解説。これから訪れる方はもちろん、リピーターの方にも新たな発見を提供できるよう、知っておきたいポイントを網羅しました。ぜひ最後まで読んで、大室山観光のイメージを広げてみてください。
大室山の基本情報

大室山は伊東市のシンボルともいえる単成火山で、滑らかな曲線を描くお椀型のシルエットが特徴です。
国の天然記念物や富士箱根伊豆国立公園にも指定されており、美しい自然環境を守る取り組みが続けられています。
令和時代に入ってからも年間を通じて多くの人が訪れる人気スポットであり、休日には家族連れやカップルなど幅広い層で賑わいます。
山頂へは徒歩での登山が禁止されている代わりに、リフトの運行が行われているため初心者でも安心して空中散歩を楽しむことができます。山腹や山頂には噴火による火口跡が残されており、自然の造形美や地質の面白さを間近に感じられます。晴天時には相模灘や富士山を望むことができるため、絶景撮影を目的に来訪する方も少なくありません。
また大室山は伊豆半島における観光の拠点としての役割も果たしており、海や山とのアクセスがしやすい立地になっています。周辺には有料・無料を含めた駐車場が用意されており、レンタカーやマイカーを利用する旅行者にも便利です。路線バスを利用すればJR伊東駅や伊豆急行の各駅から乗り継ぎが可能で、多彩な交通手段から自分に合った行き方を選ぶことができるでしょう。

大室山登山リフト
(おおむろやまとざんリフト)
- 住所 静岡県伊東市池672-2
- TEL 0557-51-0258
- URL https://omuroyama.com/
- 駐車場 自家用車500台、バス10台
- リフト運行時間
3月〜9月 | 9:00 – 17:00 (下り最終17:15) |
10月〜2月 | 9:00 – 16:00 (下り最終16:15) |
元旦 | 初日の出リフト特別運行 5:40 – 8:00(予定) (特別運行の乗車券の販売は 7:00まで) ※ 特別運行終了後に 通常運行(9:30 – )を開始 |
- 料金
おとな往復(中学生以上) | 1,000円 |
こども往復(小学生) | 500円 |
団体おとな往復(20名以上) | 900円 |
団体こども往復(20名以上) | 400円 |
- アクセス
- 伊東駅より東海バス「シャボテン公園・大室山行き」行に乗車(乗車時間40分)、終点「シャボテン公園」バス停下車すぐ
- 伊豆高原駅より東海バス「シャボテン公園・大室山行き」行に乗車(乗車時間16分)、終点「シャボテン公園」バス停下車すぐ
大室山の特徴・見どころ
大室山山頂に立つと富士山や伊豆大島をはじめ遠くの伊豆諸島までを見渡せる圧巻のパノラマが広がります。
独特の逆椀型の斜面には豊かな植生が息づき、四季によって繊細に変化する景観が訪れる人々を魅了しています。
火口周囲をぐるりと一周する“お鉢めぐり”も人気で、山頂散策ならではの非日常感を味わうことができます。
その美しい眺めと遊歩道の様子は、映画「君の名は。」に登場する名シーンとよく似ていると話題になりました。

アクセス方法と交通手段
(電車・バス・車・駐車場)
バスを利用する場合は、伊東駅・伊豆高原駅共に『シャボテン公園・大室山行き』の終点で降車すると、バス停の目の前が大室山になっています。
車で訪れる場合は、大室山リフト駐車場500台をはじめ周辺に複数の駐車場が整備されており、週末でも比較的スムーズに利用可能です。

登山リフトで山頂まで空中散歩
大室山登山リフトの乗車券は、赤い大鳥居横、乗り場手前の窓口で購入することができます。リフトは2人乗りで、大人2人、もしくは未就学児童までは3人で乗車が可能です。また、体高45㎝までの小中型犬であれば同伴もOKです。
国の天然記念物でもある大室山では登山は禁止されているため、山頂までは必ずリフトを利用しましょう。
リフトに乗車する際は安全バーをしっかり下ろし、荷物の落下や強風に注意しながらゆったりと山頂へ向かいます。
短時間で山頂に到達できるうえ、リフトからの眺望も美しいため、移動そのものが楽しい観光アトラクションになっています。山頂まではまるで絨毯のような山肌の上をゆっくりと進み、大空を望む爽快な空中散歩を楽しむことができます。
点検整備期間中は運休となる場合があるため、訪れる際には事前の情報チェックがおすすめです。
大室山の成り立ちと歴史

火山活動によって形成された大室山の歴史や、その特徴的な景観を守る行事について紹介します。
大室山は約4000年前の火山活動によって形成されたスコリア丘で、遠目から見ると美しい円錐形を成しています。噴火当時は火山灰やスコリアが周囲に飛散し、伊豆高原や城ヶ崎海岸を含む独特な地形を創り上げました。こうした地質的背景が現在の大室山ならではの景観を生み出し、学術的にも注目される存在となっています。
時代が進むにつれ、大室山周辺は伊東の中心地からのアクセスの良さも相まって観光地として広く認知されるようになりました。近年では自然保護の法的指定を受けることで、火口への登山制限や山肌の保護などを行いながら、エコツーリズムの一環として見学者に向けた情報発信も行われています。これにより、大室山の優れた景観と歴史を後世に伝えつつ、地域活性化にも寄与しているのです。
一方で、大室山の景観は単なる観光資源にとどまらず、伝統行事の一環として長年にわたり大切に育まれてきました。山焼きなどのイベントを通じて山の表面をリセットし、美しい草原の景観を維持するとともに、火山岩の下に眠る生態系を新たに目覚めさせる役割も果たしています。こうした文化と自然の融合こそが、大室山を特別な存在へと昇華させる要因と言えるでしょう。
噴火の歴史と周辺地域への影響
大室山が噴火した当時は溶岩やスコリアが広範囲に流れ込み、周辺地域にも火山灰が降り積もりました。これにより独特の地質が生まれ、伊豆の火山帯としての特徴を色濃く反映する地形が形成されたのです。現在では学術的な研究対象としても重要視され、その地学的価値は国内外から高く評価されています。
山焼きで守られる景観と伝統行事
毎年2月に行われる山焼きは700年以上もの歴史を持ち、大室山を囲む草原を一斉に燃やし尽くします。これによって雑草の繁茂を防ぎ、一年を通じて美しい景観を保持できるだけでなく、多くの観光客を集めるイベントとしても定着しています。山焼きが終了した後の真っ黒に染まった山肌と、その後に芽吹く新緑のコントラストは四季の移ろいを感じさせる絶景として評判を呼んでいます。

中腹に佇むパワースポット
– 大室山の浅間神社
大室山の火口斜面、標高300メートル付近に位置する浅間(せんげん)神社は、自然の力が宿るスピリチュアルスポットとして多くの人々に親しまれています。リフトで山頂へ向かう途中に設けられた参道を通り、噴火口の中腹に佇む社殿まで足を運べば、静寂とともにどこか神聖な空気に包まれる感覚を味わえるでしょう。
神社が祀るのは、日本神話に登場する女神盤長姫命(イワナガヒメノミコト)。長寿や安産、縁結びを司る神として知られ、特に女性からの信仰が厚く、近年では観光とあわせて「ご利益巡り」を目的に訪れる国内外の旅行者が増えています。こうした文化的側面も、大室山が単なる景勝地にとどまらない理由のひとつです。

古くから続く山岳信仰と
神聖な場所としての大室山
日本各地に点在する「浅間神社」は火山を信仰対象とする神社として知られていますが、大室山も例外ではありません。古代より火山の噴火は人々にとって畏怖の対象であり、その力を鎮め、また恵みに感謝するために、山を神として崇める山岳信仰が根付いてきました。
大室山そのものが「神が宿る山」とされ、浅間神社はその神聖さを象徴する存在です。現在も地元住民を中心に、初詣や節目の祈願、登山安全の祈祷が行われており、伊東市の伝統的な精神文化の一部を担っています。

参拝しながら感じる、自然と心のつながり
山頂までのリフトに乗る途中、中腹に設けられた小道を進むと、木々に囲まれた小さな鳥居と社殿が見えてきます。大室山の緑や風を感じながら進むこのルートそのものが癒やしの参拝体験となり、写真では伝えきれない大自然との一体感を味わえるはずです。
浅間神社からは火口を見下ろすことができ、まさに大自然の「中」に自分がいるという実感を得られます。春から夏にかけては草原の緑が生い茂り、冬には山焼き前の枯草が独特の風情を醸し出す──季節によって変わる大室山の表情と共に、神社の魅力もまた深まっていくのです。
周辺の見どころ・観光スポット

大室山周辺には魅力的な観光施設や自然豊かなスポットが多数点在しています。
リフトやお鉢めぐりで山頂を満喫した後は、周辺に点在する観光スポットを巡ってみるのがおすすめです。伊豆シャボテン動物公園やさくらの里など、自然や動物との触れ合いが楽しめるエリアが徒歩圏内に揃っています。神社巡りや季節限定の花見スポットも豊富にあり、静岡・伊豆ならではの豊かな生態系を感じることができます。
一碧湖や城ヶ崎海岸といった伊豆ならではの絶景ポイントへもアクセスしやすく、大室山観光と組み合わせて楽しむ人が多いです。陶芸やガラス工房での体験プログラムを利用すれば、旅の思い出を形に残すことも可能です。初心者向けのワークショップが多いので、家族連れやカップルが気軽に参加できるのも魅力と言えます。
また、周辺エリアには多くの展望ポイントがあり、ゆったりとした時間を過ごせるのが伊豆観光の魅力です。大自然に囲まれたハイキングコースも整備されており、レベルに合わせて散策ルートを選ぶことができます。歴史的な神社やお寺も数多く点在するため、文化的な側面から伊豆を楽しみたい方にも最適です。
伊豆シャボテン動物公園
さくらの里・神社巡り
伊豆シャボテン動物公園では世界中のサボテンや多肉植物を間近に観察できるほか、動物とのふれあいイベントも充実しています。
さくらの里は種類豊富な桜が植えられ、開花シーズンには一面のピンク色と大室山のコントラストが美しい風景を演出します。
社寺巡りでは、小さな神社や歴史あるお寺を通して地域に根付く伝統文化を感じることができるでしょう。

周辺レジャー:陶芸・ガラス工房・ハイキング
陶芸やガラス工房では、自分だけの一品を作り上げる楽しさが大きな魅力です。
湖畔の美しい風景を堪能できる一碧湖や、断崖絶壁が続く城ヶ崎海岸を歩くハイキングコースは、自然の迫力と癒やしを同時に味わえます。アクティブに動きたい人からのんびり過ごしたい人まで、多様なニーズを満たすレジャーが揃っています。
大室山のグルメ情報

大室山の山頂・麓ともに、軽食やスイーツを楽しめる店があり、ここならではのグルメを楽しむことができます。
山頂売店では「大室山 山焼きだんご」が楽しめ、その可愛らしいビジュアルが人気です。「大室山 山焼きだんご」は、プレーンで楽しむもよし、お好みであんこやみたらし、くるみみそなどトッピングを追加するもよし。数種類のトッピングの中から自分好みのおだんごを注文することが可能です。
その他夏場にはソフトクリームもおすすめです。
大室山の絶景を目前に、ここにしかない味わいを楽しんで下さい。
周辺の地元グルメもおすすめ
また、周辺には地元の食材を活かしたお店が多彩に揃っています。伊豆の恵まれた漁場から水揚げされた海産物は、鮮度抜群の状態で提供されるため素材そのものの旨みを存分に楽しめます。
旅行の記念に、伊豆銘菓や季節限定のスイーツをお土産に選ぶのも良い思い出になるでしょう。

地元の人が通う
伊東ショッピングプラザデュオ
大室山から車で15分の場所に、伊東を代表するショッピングセンターがあります。
新鮮な食材やファッション、地元グルメやお土産などなんでも揃い、地元の人が利用する施設ならではの、観光地価格ではない「通常価格」がポイントです。
「地元の伊東」を体験できるショッピングプラザデュオで、ランチやお土産購入もおすすめの選択です。旬の素材を使った地元のランチやスイーツが楽しめ、お土産にぴったりな伊豆銘菓などの購入が可能です。
宿泊を伴う旅行の場合は食料品や日用品などの買い出しにもおすすめのスポットです。


宿泊施設とホテル情報

伊豆エリアにはリゾートホテルや温泉旅館、ペンション、グランピング施設が多くあり、多種多様な宿泊スタイルが選べます。海を望む部屋や緑豊かな高原に面した客室など、景観にこだわりを持つ施設も多いのが魅力です。家族旅行やカップルでの滞在、友人同士の観光など、目的や人数に合わせて選択の幅が広がります。
温泉を併設している宿では、源泉掛け流しや露天風呂など贅沢な湯浴みを堪能できます。温暖な気候に恵まれた伊豆だからこそ、日中は観光を存分に楽しみ、夜は温泉で癒やされる旅行スタイルが人気です。広々とした和洋室や個室露天風呂付きの客室など、特別感を演出するプランも豊富に用意されています。
グランピング施設では手ぶらでアウトドアを楽しめるため、キャンプ初心者や小さなお子様連れでも安心です。自然の中で過ごす非日常感に加え、BBQや焚き火などキャンプの醍醐味を気軽に味わえます。施設ごとに特色があるので、事前に体験プログラムや設備を確認して、自分たちに合った宿泊先を見つけましょう。
リゾートホテル・旅館・グランピングの選び方
海や山の景色を楽しみたいなら、オーシャンビューや高原ビューを持つ施設を選ぶとさらに特別感が増します。温泉やプライベートダイニングなど付加価値のあるサービスを基準にすると、観光だけでなく宿自体が思い出になるでしょう。バラエティ豊かなスタイルが揃う伊豆エリアでは、自分の理想に近い宿泊プランを探すことが容易です。
大室山訪問におけるチェック事項
初めて大室山を訪れるという方からは、リフトの利用方法や営業時間に関する問い合わせが多く寄せられています。
とくに点検や天候の影響による運休情報は公式サイトでこまめに確認するのが大切です。子どもやペット連れの場合の乗車条件もあらかじめチェックして、スムーズな旅程づくりを心掛けましょう。
気候に関しては、標高580mの山頂エリアでは平地よりも気温が低く、風が強い日も少なくありません。防寒対策や雨具の用意はもちろんですが、夏場は日差しが強いため日焼け対策も必要です。季節に合わせて適切な服装を心がけることで、快適に観光を楽しめます。
その他、周辺のレストランや土産処、宿泊施設に関しては観光シーズンや週末は混雑が予想されます。観光情報センターやSNSでも最新の情報を発信しているため、出発前に情報収集を行うとスムーズに旅行が進められます。
リフトの料金・営業時間・休日
大室山リフトは大人と子どもで料金が分かれており、団体向けの割引も設定されています。営業時間は季節によって変動し、悪天候時の休業や、6月と12月のメンテナンス休業にも注意が必要です。訪問日が近づいたら公式情報を確認し、余裕をもったスケジュールを立てましょう。
最適な服装・季節ごとの気候
標高差により気温が変化しやすい大室山では、特に冬場や朝晩の冷え込みに注意が必要です。春と秋は日中との温度差が大きくなるため、薄手の上着やストールなど重ね着しやすいアイテムを持参すると安心です。夏は帽子や日焼け止め、飲み物を携帯して、熱中症にならないよう心掛けましょう。
まとめ
– 大室山を満喫しよう –
大室山は迫力ある火山地形と豊かな自然、歴史・文化が詰まった魅力あふれる観光スポットです。ぜひ計画的に訪れて、絶景やグルメなど余すところなく楽しんでみてください。
大室山そのものの景観だけでなく、山焼きやお鉢めぐりなど火山ならではの体験をできる点が大きな魅力です。周辺には動植物公園や体験型施設が集まり、観光プランを自由にカスタマイズできます。地元ならではのグルメや多彩な宿泊施設も楽しめるため、幅広い層におすすめできる観光エリアと言えるでしょう。
火口の絶景を優先したい方も、グルメを満喫したい方も、アクセスの充実ぶりや宿泊施設の豊富さから長期滞在がしやすくなっています。四季折々の魅力を持つ大室山では、毎回違った表情の自然に出会えるのも魅力の一つです。年を通じて様々な行
事やイベントが開催されるので、そのタイミングに合わせて訪れるのも楽しみ方の一つでしょう。
最後に、観光地としての賑わいだけでなく、大室山に流れる歴史や地質学的価値を感じ取ることも旅の醍醐味です。豊かな自然環境を未来に残すためには、訪れる側のマナーやルールの遵守も欠かせません。ぜひ現地の情報を細やかにチェックし、充実した伊豆旅行の一環として魅力あふれる大室山を満喫してください。